第14回 読書会レポート 2018年4月8日(日)

第14回目の博多で読書会は、9名(うち初参加5名)で開催しました。

今回は大学生から50代の方まで、幅広い世代の方が集まってくれた会になりました(^^)
誰もいなかった主催当時がウソのよう。

また14回目にして初めて私と同じ業種の方ともお会いしました。
そっちの話で2時間盛り上がれるのですが、熱は本に向けてひとまずスタート。

 

↓今日ご紹介いただいた本

 

ご紹介頂いた本①
『去年ルノアールで 完全版』(マガジンハウス文庫)■せきしろ

Bさんに紹介頂いた本です。
ルノアールとは「喫茶室ルノアール」のこと。
株式会社銀座ルノアールが東京・神奈川県メインにチェーン展開している喫茶店です。
関東出身の方にとっては馴染み深い喫茶店なのではないでしょうか。
(福岡人にはあまり認知度がないようなので、抑えておけば知識をひけらかすことができますよ笑)

そんなルノアールに毎回やってくる少し変わった変人(お客さん)を、意味もなく(笑)観察しエッセイにしたのがこの本。
読み終えた後に残るのは「あ~、読んだ~」という空っぽの感情だそうで。
本から何かを得たい!という意識高めの方には向いていないかも知れません。
しかしその空っぽこそ、ある意味娯楽の真髄を味わい得ることが出来る、本の中の本かも知れません。

ご紹介頂いた本②
『コーヒーが冷めないうちに』(サンマーク出版)■川口 俊和

初参加のTさんに紹介頂いた本です。
まさかのコーヒー繋がり2冊目ですが、こちらは意外にも感動要素の強い1冊のようです。

とある喫茶店。
その中のある席に座ると、自分の望んだ過去にタイムスリップできる超常現象が起きます。
しかし過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから冷めてしまうまでの間だけ。

「過去に戻ってやり直したい」
誰もが描く妄想かも知れませんが、僕の場合は楽観的なのであまり思ったことがはありません(笑)。
あ、1つだけあるか。
それは
5年前の新潟の夜。
慣れない出張先でホテルに戻ると・・と、書き進めると軽く10,000字を越えそうなので、やめておきます。。

ご紹介頂いた本③
『何者』(新潮文庫)■朝井 リョウ

私が紹介した本です。
2013年、初の平成生まれで直木賞を受賞した著者の1冊。
コーヒー繋がりではないですが、映画に有村架純が出ております。
可愛い。コーヒー10杯飲めますね。

舞台は就職活動をこれからに控えた学生5人組の物語。
内定を勝ち取るために一致団結したはずの彼らの関係性が、”シューカツ”によって少しづつ崩れていく様をリアルに描いています。

ちょうど受賞した時期に私も就職活動を経験しましたが、あの合同説明会の異空間は今でもゾッとする光景です。
就職活動という儀式から溢れ出る人間性を炙り出した今が旬の1冊です。

ご紹介頂いた本④
『一九八四年』(早川書房)■ジョージ・オーウェル

初参加のFさんに紹介頂いた本です。
1984年といえば村上春樹さんの1Q84が出てきますが、そのオマージュにもなった1冊のようです。

ユートピア(理想郷)とは逆社会のディストピアが舞台です
かなり前に出版されたSF小説のようですが、ディストピア系統では金字塔のようです。

そして、その物語の世界を支配するのが、物語に出てくるビッグ・ブラザー。
相当影響力の強かった人物なのでしょう。
このビッグ・ブラザー、「最も影響力のある実在しない101人」(2006年の書籍)で第2位にランクインされていますが、そのランキングの存在がおもろいわ(笑)。

ご紹介頂いた本⑤
『十角館の殺人』(講談社文庫)■綾辻 行人

Dさんに紹介頂いた本です。
Dさんがミステリー小説にハマるきっかけになった1冊だそうです。

タイトルからして何かが起こりそうなミステリー小説。
その秀才なトリック・内容はいい意味で読者を欺いてくれるそうです。
そして最後に犯人がわかった時、思わず声を出さずにはいられない衝撃を味わうことができる。

”○○館の殺人”シリーズがけっこう出されていますが、中でもこの本がおススメのようです。
いつも思いますが、殺人ミステリー系の本が得意な作家さんは、どこからそのアイデアを捻出するのでしょうね。

ご紹介頂いた本⑥
『夜間飛行』(新潮文庫)■サン=テグジュペリ

初参加のBさんに紹介頂いた本です。
サン=テグジュペリ、と言えば
「星の王子さま」が有名ですね。
サン=テグジュペリ=星の王子様

、、は冗談ですが、元々は軍の操縦士でした。
現役時代、サハラ砂漠に付着時した経験が「星の王子さま」にも反映しているそうです。
そんなパイロット時代の自己体験をもとに、現代にも受け継がれる本を書いています

ナチス戦闘機に撃墜され、消息を絶ったサン=テグジュペリ。
そんな彼の当時生きた時代背景・知るにはうってつけ。
星の王子さまでつまずいた僕には、少し雲の上の存在?

ご紹介頂いた本⑦
『海の底』(角川文庫)■有川 浩

初参加のKさんに紹介頂いた本です。
そういえば有川浩さんの本は、ここに来て初めての登場ですね。
そんな著者の自衛隊3部作の1つが、この「海の底」です。

設定を聞いたとき最初ホラーかと思いました。
巨大な人喰いエビが突然登場!ヒトを食べます!
このあらすじ、書く作家が違っていたらとんでもないパニック作品になっていたんじゃないかな。
よかった、有川浩さんで。

有川さんは、そんなエビの調理の仕方はしません。
3部作に必ず絡んでくる自衛官の活躍と奮闘、そしてそれに巻き込まれる子供たちとの人間ドラマ。
そしてお馴染み(?)、女性目線で描かれるラブコメ要素に心を奪われます。

ご紹介頂いた本⑧
『未必のマクベス』(早川書房)■早瀬 耕

初参加のFさんに紹介頂いた本です。
物語を知るうえで、まずマクベスとは何かを知る必要があります。

マクベスとは:イギリスの劇作家シェークスピアの四大悲劇の1つ

世界を股にかけ働く主人公は、訪問先の見ず知らずの娼婦に突然「あなたは、王として旅を続けなくてはならない」と宣告されます。
なぜか悲劇の主人公という運命を背負わされた主人公。

ミステリー?哲学?
ジャンルの特定が難しそうですが、中には恋愛要素もあるようです。
不特定多数の分野が重なり、気づけば手を止められないほど熱中する展開に。
これはかなり読みたくなりました。

ご紹介頂いた本⑨
『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)■恩田 陸

Yさんに紹介頂いた本です。
出ましたね、ハイ。
過去2回登場している本ですが、それが面白さを物語っていますね。

ピアノコンクールを舞台に奮闘する4人のピアニスト。
誰が優勝してもおかしくない展開は、最後まで目が離せません。

作品の中で登場した曲をセットリストにしたCDも出ているようです。

勢い、やべえ。

またYさんに教えて頂きましたが、実は本にもちょっとした仕掛けがなされています。
持っている方は本を縦にして、上から覗き込んで見てください(笑)。


毎回、色んな業種・経験を積んだ方が毎加されます。
「どんな仕事なのか興味ある~!」
と毎回思いつつも、一巡した所で時間になってしまうので、あまり職業や本以外の話は出来ずに終わってしまいます。
機会があれば本は抜きにした「異業種交流会」なんて言うのも企画できればいいですね♪

 

☆本日の読書会の様子