第12回 読書会レポート 2018年3月25日(日)

第12回目の博多で読書会は、9名(うち初参加3名/キャンセル1名)で開催しました。

今までは特に課題は設定せず、「自身のおススメ本を紹介する」という形で運営しておりました。
しかし「そろそろ参加者も増えてきたことだし、何か1つのテーマを絞ってやるのも面白いかな」ということで、今回は『自信が最も影響を受けた本』というテーマを設けての会となりました。

最も影響を受けたと言えばハードルが高いように思いますが、自分の趣味や価値観に多かれ少なかれインパクトを与えた本は、読書経験の中であるのではないでしょうか。

普段は違う活動をされている皆さんの”心を打った1冊”を、どうしても知りたかった僕なのです。
そんな思いから始まった第12回。
よだれが出ますね。

 

↓今日ご紹介いただいた本

MEMO
今回は2つのグループ(4名・5名)に分けて実施しました。

 

ご紹介いただいた本①
『堕落論・日本文化私観他二十二篇』(岩波文庫)■坂口 安吾

初参加のMさんに紹介いただいた本です。
大学時代、ある先輩に勧めてもらい読まれた本のようです。

昨年まで島根県で高校の国語教員をされていたMさん。
たくさんの生徒の文章に触れ、文を読み解く力は人一倍長けているのかなと思います。
..と、そんな事を書いているとこのレポートを書くのが恥ずかしくなってきました(笑)。

作家として活躍されていた著者の文章は1文1文が長いのが特徴だそうです。
文章は長くなればなるほど要点が迷子になり、読み手の体力を消耗しがちしかし達筆な著者の場合、その1文が死んでおらず、滑らかに踊っている。長文で相手を惹きつける術は、文才の極みなのかな。
食べ物だったら今すぐ食べたい1冊ですね。

ご紹介いただいた本②
『アンダーグラウンド』(講談社)■村上 春樹

初参加のSさんに紹介いただいた本です。
正直、村上春樹さんの作品は少し苦手です。

話題になった本をパケ買いすることもありました。
そのたびにいつも「?」が頭に残るような、幻想チックな世界感というイメージがあるのです。
しかしこの本、幻想やフィクションは一切ありません。

舞台は1995年に起きた、オウム真理教団による地下鉄サリン事件。
事件の被害者と関係者62人に取材し、真相に迫ったインタビュー集です。
被害者の声を文字に起こし、形にする。
その作成にはとてつもない労力と気力が必要だったと思います。
しかし、それでも何かを伝えたかった。
どうしてもこの事件を後世に伝えたいという特別な思いがあったのではないかと考えます。

ご紹介いただいた本③
『お風呂の愉しみ』(飛鳥新社)■前田 京子

Kさんに紹介いただいた本です。
タイトルだけでさっぱりした気になれますね♪
でも、奥が深いタイトルだと思います。

普段何気なく過ごしている時間を有意義なものにしたい。
誰しもが思っていることではないでしょうか。
・会社までの「通勤ラッシュ」
・睡眠の「質」
・行列の「待ち時間」

中でも「お風呂」は毎日欠かさず入るものです。
そんなお風呂を少しでも楽しい場所にということで、「手作り石鹼」について教えてくれる本。
作り方の手順も書かれています。
Kさんも実際に石鹼はじめ、シャンプー・歯磨き粉・化粧水など、自分で作れるものはすべて作ったとのこと(凄っ!)。

難しそうに思いますが、簡単な材料で誰でも作れることが出来るみたいですよ。

ご紹介いただいた本④
『人の心を動かす文章術』(草思社)■樋口 裕一

 

私が紹介した本です。
はい。実はこの本、第1回読書会の時に一度持参しています。
なのであまり詳しいことは書かないのですが、とにかく大学時代の私に強い影響を与えた1冊です。

この本が無ければ読書会も開かなかったし、死ぬまでマンガしか読まなかった僕だったと思います。

ご紹介いただいた本⑤
『カラフル』(文藝春秋)■森 絵都

 

Kさんに紹介いただいた本です。
教師という今のお仕事に就かれたきっかけにもなった本だそうです。

2007年出版。
当時話題になっていたのを覚えています。
私もだいぶ後から読みました。
自殺を図った少年の身体に憑依し、自分の罪は何かを思い出す物語。
周囲の風景を客観的に見つめ、人生の色の取り戻し方を一緒に考えてくれる本です。

家族やクラスメートとの微妙な距離感。
悩み・イジメ・反抗。
大人になってからますます顕在化することあります。
それを解決するには、自分の考え方を変えることが有効だったりします。
僕の場合は、不運なことでも都合の良いように解釈しています。
楽観的なのかも知れませんね。
あとは爆睡。起きたら忘れてます。

ご紹介いただいた本⑥
『田宮模型の仕事』(文藝春秋)■田宮 俊作

 

Bさんに紹介いただいた本です。
田宮模型と聞いても、あまりパッとしないかも知れません。
しかし「ミニ四駆」と聞くと反応しない男性はいないハズ。
そんなミニ四駆をはじめ、日本のプラモデル「世界のタミヤ」の歴史がわかる1冊。

小学校低学年の頃です。
マンションの通路でよく住人のおばちゃんに白い目で見られていました。
作りたてホヤホヤのミニ四駆をどうしても走らせたい!
健全な6歳男児の、当時の普遍的欲求でした。

今思えば、当時何気なく作っていたミニ四駆も、その小さなパーツに限りない工夫・技術が凝縮されていたんだなと思います。

ああダメだ。。
これ以上書いたら、また走らせたくなる。

ご紹介いただいた本⑦
『レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち』(新潮文庫)■石井 光太

 

Tさんに紹介いただいた本です。
インドの貧困問題をノンフィクションで描いたルポライター作品。

貧困格差から生まれる子どもたちの運命。
その真実に目を背けてはなりませんが、読む人を選ぶ本なのかなと感じます。
レンタルチャイルドというタイトルも含め、衝撃的な社会にやり切れなさを感じずにはいられないというのが、私の感想です。

また、恐らく参加者で最も読書量の多いTさんの選ぶ本でもあるので、そのインパクトは大きいものかと。
中々訪れることのない国の話ですが、自分の身の回りの環境を変え、生きる強さを教えてくれる。
そんな1冊なのかもしれません。


 

※下記の2冊については別のグループで直接お話を聞きませんでした。
なのでタイトルと写真だけ簡単に紹介させて頂きます。

ご紹介いただいた本


以前、新聞でこんな記事を読みました。
昨年のベストセラー本TOP20のうち、17作品で女性比率が男性より多いとのこと(3/9日経MJ)。
本に対する熱は、いま女性の方が少し高いのかも知れません。
今日も女性の割合が多く、皆さんの熱心さが伝わりました。

次回は3月31日(土)に開催です。
テーマは『泣けるor感動した本』
デトックス不足の方は、是非ご参加ください(^^)

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