こんにちは^^
博多で読書会代表のオオニワです^^/
これまで1年間の読書会で、300冊以上の本が紹介されてきました。
笑える本から泣ける本まで、たくさんの本が登場しました。
その中でも「あの本は存在感強かった..」という本は、今でも強く印象に残っています。
かれこれ35回開催してきた読書会の中で「最もインパクトの強かった本5冊」を(独断と偏見で選び)振り返りました。
『クリストファー・ノーランの噓 思想で読む映画論』/トッド・アガウマン
「ダークナイト」・「ダンケルク」などのヒット映画を世に送ってきた映画監督であるクリストファー・ノーランの作品を徹底考察した1冊。
彼の映画上で外せないテーマ、それは「嘘」。
映画のストーリーや登場人物は言ってしまえばほとんどが嘘(フィクション)なわけですが、その嘘がもたらす役割を哲学や精神分析理論視点から考察するという、教養深い内容が知的欲求をくすぐります。
映画のスクリーン奥に隠された観る人を操る蜘蛛の糸を存在を知れば、映画を観るのがますます楽しくなりそう。
映画を見ても「やべぇ」しか感想出てこない人(あ、私)にとって、これは教科書だな。
『レンタルチャイルド-神に弄ばれる貧しき子供たち』/石井 光太
12回目の読書会で紹介されました。
元々この会のテーマが「最も影響を受けた本」だったため、色濃い本が多かった。
その中でもひときわ印象深かったのが、インドの貧困を描いたこのノンフィクション本です。
同情を誘うため赤子を抱える物乞い。
しかしそれは貧しいだけの生活の1シーンではない。
生きるために自ら望んで手足を切断し、身体を傷つけ、マフィアの仲間入りを選ぶ。
物乞いの道具「レンタルチャイルド」になるわけです。
到底信じられないような話です。
他国のこと知ってなんになんねんっ!
とひねくれ精神が強かった大学時代の私だったら敬遠してしまう類の本ですね。
彼ら1人1人を助けることは難しいけれど、自分に出来ることを見つめ直すきっかけを作ってくれる。
ジーンとした瞬間でした。
『架空OL日記1・2』/バカリズム
バカリズムがOLになりきって書いたブログを文庫化したもの。
お笑い活動もしながら、こんなこともやっているんですね~。
個人的に気になったのは、なぜそんなブログを書いていたのか?笑
お笑いだけでなく、ドラマや脚本も手掛け、唯一無二の存在感を出しているバカリズム。
大喜利では豊かすぎる発想力から、毎回面白いより関心が勝ってしまいます。
そんな常人離れした発想力を蓄え、観察眼を養うためにこのOL日記を始めたのだろうか。
確かに自分とは違う人物になりきり日常生活を送ることで、視点は広がりそうだけど..
とにかくもうっ、変な人!(いい意味で笑)
『はかれないものをはかる』/工藤 あゆみ
世の中にある「はかれるもの」
:例えば今月の出費や起きた時間
一方世の中にある「はかれないもの」とは?
:気持ち・感動の量、人との距離感など
そんな「はかれないもの」を独自の視点とイラストで表現した絵本がこれ。
イタリアで話題となり今年の5月に日本にやってきたそうです。
はかれないがゆえにもどかしくなったり、心が乱れてしまうこともあります。
でも全部が数値化出来る世の中だったら、結局頭の良い人が勝つ世界になってしまうか。
はかれないものを “はかろう” とすることは、そこにある本質に少しだけ近づこうとすること。
少しだけってのが良いよね。
ページをめくるたび優しくなれます。
『アルジャーノンに花束を〔新版〕』/ダニエル・キイス
割と有名な本。
なので紹介される前から何となく知っていたけど、本の仕掛けに心を動かされた。
知的障害の男性が主人公のこの小説は、その主人公の語り口で物語が進んでいく。
最初はちぐはぐな文章だが、ある時主人公が手術を受け知能が向上。
それに伴い文章がどんどん知能的になっていく。
登場人物の変化を、文章の仕掛けを通じ表現するという手法はユニークで惹かれました。
このひと工夫が、この本が多くの人の心を動かしたポイントなんじゃないかな。
繊細な日本語だから描きやすかったことも、英語の原書ではどのような表現をしているのかも気になります。
まだまだ書ききれない本も沢山ありますが、特に印象に残った5冊について振り返りました。
次回は参加者から紹介された中で、読んで面白かった本について書きたいと思います(^^)/